最先端研究

炭化ケイ素の用途について

炭化ケイ素(シリコンカーバイド)はダイヤモンド程ではありませんが硬度、熱伝導性、耐薬品性、高温特性に優れたセラミックス材料で、摩耗性や耐久性に優れていることから様々な用途に用いられています。身近なものでは研磨材、耐火煉瓦、高級品の釣り竿のガイド、鉄道車両のブレーキ用シューなどに大量に用いられています。

 

この素材は他のセラミックス材料よりも耐熱性に優れていて1000℃を超えるような高温環境下においても高い強度を保つことができるので、バーナーのノズルや熱交換器の部品として使用されています。耐摩耗性に優れているという性質を生かしてブラストノズル、粉砕機ライナーの部品としても利用されています。

 

炭化ケイ素は炭素原子とケイ素原子の共有結合によって成る結晶で化学的に安定していることから、耐食性を必要とする用途にも用いられており、メカニカルシールやケミカルポンプの軸受け部分に使用されています。エレクトロニクス分野においては従来より発熱体、避雷器、バリスタに多用されてきました。

 

シリコンカーバイドは結晶中に少量の不純物をドープすることで半導体としての性質を持たせることができることからこの分野においての用途が広がっており、整流用ダイオードや電界効果トランジスタにも利用されており、従来の整流器よりも電力ロスが小さくすることができるので省エネが求められる分野での用途に用いられ始めています。

 

具体的には大電流用の整流器として鉄道用車両分野で利用され始めていて、既に一部の私鉄や地下鉄用車両、新幹線の車両、ハイブリッド自動車向けのインバータ素子にも採用されています。シリコンカーバイドは高温下においても耐久性が高いセラミックス材料で、金属よりも軽量であるという特性を生かして航空宇宙分
野での応用も研究されています。

 

近い将来、軽量で高出力の航空機用ジェットエンジンにも利用される予定です。炭化ケイ素は古くから用いられてきた材料ですが、水素と同じように今後も多くの分野での利用が見込まれる有望な材料なのです。